字が下手っていうのは一体どういうこと?
「私は字が下手でもう少し、上手になりたい。」とか、
「よく周囲の人から、ていねいに字を書くように注意されます。」
など、よく耳にすることが多いものです。
では、そもそも字が下手っていうのは、一体どういうことなのでしょうか?
字が上手くなりたい人でも、ほとんどそんなことは考えないのが普通です。
実は、字が下手といっても大きく分けると、”字を読む場合”と”字を見る場合”の2つがあります。
この、”読む”と”見る”では、大きな違いがあるのです。
字を読む場合
これは、まさしく書いてある文章の内容を理解するために、字を1文字づつ読んでいく場合です。文書を読んでいるときは、ほとんどの人は内容を理解するのが最優先で、字の上手、下手を気にすることは、あまりありません。
このとき問題になるのが、ズバリ”読みやすさ”。
文書を読んでいて、とても読みづらい、あるいは読めないとしたら、あなただったらどうでしょう。間違いなく読み手であるあなたは、不快になりますし、文書を書いた人は字が下手だという印象を、持ってしまいます。
つまり、普段の私達は、難しい漢字でない限り、自然に文章が読めるのに、字が下手といわれる人の文章は、読む努力が必要だということです。
字を見る場合(文章全体を見る場合)
「文章全体を見る?」ちょっと不思議に思われるかもしれませんが、実は手書きの文書を読む人は、誰でも無意識に行っていることなのです。
例えば、手書きの履歴書や手紙、ハガキを受け取ったときが、これにあたります。
ちょっと、普段あなたが手書きの文書を読んだときのことを、思い返してみてください。文書の内容を、理解しようとすることはもちろんですが、読み始める前か、読み終えたあとに、一度文章全体をながめるはずです。
そして、
「なかなか読みやすい字で、書かれているなあ。」
「内容はいいけど、字が踊っている。」
「ユニークな字だなあ。」
とか、少なからず、何かの印象を持つはずです。
これは、パソコンで作った文書やハガキでは、ありえないことで、手書きの文書だけに限られたことです。だって、パソコンからプリントアウトされた文書は、どれも同じですから、文章全体を改めてながめることなんて、しないのが普通です。
つまり手書きの場合は、一文字だけでなく文書全体から受ける印象も、字の上手さに大きく関係してくるのです。
たとえ、一文字づつが下手でも、文書全体が整った書き方であれば、上手な印象を受けるわけです。
だいたい、一文字づつ見ながら、この字は上手で、この字は下手なんて観察する変わり者は、まずいませんから。
試しに、あなたが最近書いた文書があれば、一度よく観察してみましょう。ちょっとしたボールペン字上達のヒント(上手に見える)が、見つかるかもしれませんよ。
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